涼の成長記録

自らの人生に主導権を持つべく、独立を目指して2014年3月31日を持ってITエンジニアを退職。そんな23歳♂の成長記録。

世界一わかりやすいロジカルシンキングの授業

以下の書籍を読みました。


先日に続き、再び個人的な良書に巡り会うことが出来ました。読書の秋だからですかね。ツイてます。じっくり読んでも2時間ほどで読了できますが、内容はとても濃いものでした。"ロジカルシンキング"というものを、少し誤解していたような気がしています。


さて、著作権法の引用になんちゃらかんちゃらで、軽く紹介します。まずは目次です。

CHAPTER1 なぜ論理的に考える必要があるのか?
CHAPTER2 論理思考は「言葉」である
CHAPTER3 論理思考は「引き出す」である
CHAPTER4 論理思考は「広げる」である
CHAPTER5 論理思考を実践してみよう


面白かった話をいくつか。著作権法の引用がどうたらこうたらで、安全ラインが分かりませんので、自分の言葉でゆるっと書きます。ゆるっと。

CHAPTER1 なぜ論理的に考える必要があるのか?

「論理的」を正義とすると、「直感的」は悪であるような印象を受けますが、そうではないというお話です。


「論理」というものは、「直感」をサポートする役割をもっているのだそうです。本書では、直感思考と論理思考の関係は、橋のない川を渡る行為に例えられると、述べられています。いまいる岸から、なるべく早く、そして確実に向こう岸に辿り着くには、どうすれば良いか。


1つの手段はジャンプすることです。しかし、失敗すると川に転落してしまいます。もう1つの手段は橋をかけることです。川に転落する可能性は無くなりますが、今度は時間を含めてコストがかかります。ここでいう、ジャンプが「直感思考」で、橋をかける作業が「論理思考」と例えられています。


そして、最高のパフォーマンスを発揮するためには、スピーディ、かつ確実に川を渡る必要があります。この例でいくと、向こう岸にジャンプできる距離まで橋をかけ終わったら、あとはジャンプしてしまえば良いということです。これが、スピーディ、かつ確実に川を渡る方法になります。


つまり、「論理思考だけでも、直感思考だけでもビジネスはうまくいかない」ということです。この両者をバランス良く使い分けることにより、最大級のコストパフォーマンスを生み出せるのです。まあ、私は瞬間移動を習得しておりますので、話はまた変わってくるのですが。

CHAPTER2 論理思考は「言葉」である

野球には全く興味がないのですが、そんな私ですら聞いたことがある有名な方々である、長島監督イチロー選手のエピソードが凄く興味深かったので、紹介します。長嶋監督はいわゆる「天才」で、直感的に戦うことができる選手でした。選手にバッティングの指導をする時

ボールがビューと来たらバーンと打てばいい

なんて言ったそうです。全く論理的ではありませんね。


対して、イチロー選手はこう言ったそうです。

僕は天才ではありません。なぜなら、すべてのヒットについて、打てた理由を一つひとつ説明できるからです。本当の天才である長嶋茂雄さんとはその点が違います。


本書では「つまり、イチロー選手は、イメージを言葉に置き換えることができる」と述べられています。


そして、イメージを言葉に置き換えるためには、語彙力が必要になります。この点、私はできていて良かったと思ったのですが、わからない言葉や、意味の曖昧な言葉に出会った時に、辞書で調べることで、語彙力を向上することができます。

CHAPTER3 論理思考は「引き出す」である

お笑い芸人を例にした、興味深い話が1つありました。「あるあるネタ」というものはご存知ですよね。私たち視聴者は、そのネタを聞いて「あるある!」と感じるわけなのですが、ネタを見る前に、「何かあるあるネタを書いてみてください」と言われると、意外と書けないのだそうです。確かにそうです。


本書では、「自分の頭の中に潜在的に入っているアイデアを実際に引き出すのは、とても困難だ」と述べられています。多くの人に「あるある!」と思うようなコピーやビジネスをつくり出せるから、コピーライターや起業家の価値があるとも述べられています。このあたりが、実に面白かったです。


このチャプターでは、「そのアイデアなら、自分も考えていたのに」という人間のおこがましい感情を、徹底的に批判してくれるのです。つまり、「自分の頭の中にあるアイデアを引き出すこと」が、重要なのです。言われた後に、「私でもできていた」では駄目なのです。当然ですよね。


もう1つ、コロンブスに関する面白いエピソードが紹介されていました。簡潔に少し短くまとめて書きますね。コロンブスが新大陸を発見した後に、コロンブスのライバル達が「お前は、太平洋を西にひたすら進んだだけだ。俺たちだってそんなこと考えていた。お前は運が良かっただけだ」と言い放ったそうです。


対してコロンブスは「ここに卵がある。これを立てられる者はいるか?」と言い、ライバル達は当然立てることはできませんでした。すると、コロンブスは卵を手に取り、卵の底を割ってから立ててみせたのです。するとライバル達は再び「そんなことは分かっていた」と非難します。


コロンブスは、次のように言い放ちました。

一生言っておけばいいさ。だから、おまえたちは、私より先に新大陸にたどり着けなかったのだ。

いやー、痺れますね。
自分のアイデアを頭から引っ張りだせるための準備を、常にしておくことで、「私でも考えついていた」を回避できる訳ですね。逆にそれができないから、私は凡人なのだ、というお話でございます。

CHAPTER4 論理思考は「広げる」である

「論理思考とは境界線を意識して考えること」だと述べられています。物事を考える時に、自分が今、物事の全体の中で、どのあたりを見ているのか、という境界線を意識することにより、逆に見えていなかった部分が見えるようになってきます。


そして、この「境界線」を具体的な言葉で表すことができなければ、論理的に考える上で、支障が出てきます。例えば「早起きできない原因」について考える時、「睡眠時間」という軸に対して「長い/短い」という、抽象的で個人差のある境界線を引いてしまうと、論理的に考えられなくなってきます。


ここは「6時間以上/6時間未満」のような、具体的な境界線を引くべきです。ぼんやりとした言葉を、物事を決める境界線にしない、ということですね。当然ですが、境界線は軸に乗っかっている必要があります。「睡眠時間」という軸に対して、まさか「可愛い女の子が夢に出てくるか」なんて境界線を引くわけにはいきません。


適当に考えたので、無理矢理でズレた部分もありますが、まあ〜そんな感じです。(ここに来て適当)
軸と境界線の話は、ロジカルシンキングを語る上で凄く重要な話になるので、是非本書を手に取ってみてください。(ここに来て一応宣伝しておく)

CHAPTER5 論理思考を実践してみよう

このメソッドは、当然本書を読了してからやるべきでしょう。今までのチャプターの復習をしながら、実用性を感じることができるメソッドになっています。

まとめ

さて、難しいのはロジカルシンキングをどこで活用するのか?ということです。ポジティブシンキングの活用どころは何となく分かるのですがね。ロジカルに物事を考える必要がある場面、それは「変化する時」です。言い換えると、新しいアイデアを考える必要がある時です。


クレームが減らない原因を考える時、新しいシステムの設計を行う時、新しいビジネスモデルを考案する時、可愛いあの子をデートに誘う方法を考える時、様々ですね。この本、オススメですよ。最後に著者の言葉を引用して、終わりにします。

今の日本はあらゆる意味で閉塞状況にあります。今こそ真の意味のクリエイティビティが必要とされています。つまり、論理思考力を高め、徹底的に考えることが求められている時代なのです。

論理思考というのは、それだけ大きなテーマです。


ではでは。