「何もしていないのに」は信用できない
パソコンが起動しなくなった
社内の話
今日は、ちょっとしたネタです。ユーザーは勿論、社内の人間まで「何もしていないのに、パソコンが起動しなくなったんだけど。。」といった問い合わせを、よく持ち掛けてきます。彼らは「何もしていない」と言い、「私は悪くない」という予防線を張るようです。
「本当に何も心当たりがありませんか?」と再度聞いてみると、「うーん、昨日シャットダウンまでが遅かったから、電源ボタン長押しして強制終了したけど。。」と弱々しく言います。我ながら、社内で2度経験があるというのも凄い話です。
社外の話
「何もしていないのに」ではないのですが、似たような実話があります。同じく、客先からPCが起動しなくなったとの問い合わせがありました。通電されていれば、PC全面に赤色のランプが点灯するPCであったため、それを確認してもらうと消灯していると言います。起動しない原因は、電源関連の可能性が高そうです。
「電源ケーブルはPC側、コンセント側の両方接続されていますか?」と確認すると、何度も確認したし、何度も接続し直してみた。電源ケーブルも変えてみたと言います。ユーザーはユーザーなりに、まずは自分で問題解決しようと努力してくださっているようです。意外とこういう顧客は少ないものです。
会社からわりと近い現場だったので、見に行くことにしました。PCから繋がった先は、テーブルタップです。電源スイッチ付きです。消費電力を抑えるために、職場のタップをスイッチ付きに変えるのは、よく聞く話です。素晴らしい取り組みですね。
おもむろにテーブルタップのスイッチをONにすると、PCは元気に起動しました。
有償サポートにしたかったです。
どこかで聞いた話
それから、どこかで以下のような笑い話を見たことがあります。うろ覚えですが。
何もしていないのに、勝手にPCの壁紙が変わったとの問い合わせがあった。見に行くと猫の壁紙に変わっていた。勝手に変わったのではなくて、誰か変えたに決まっているだろ!!
アプリケーションの不具合
大体自社が悪い
以上から、ユーザーの「何もしていない」は信用できないということが分かります。これは、アプリケーションの不具合でも、しばしば見られます。「何もしていないのに、アプリケーションが固まった」等という具合に。
この場合、ユーザーを責めるわけにはいきません。「何もしていない」かどうかは別として、自社で開発したアプリケーションが実際に固まっているわけですから、不具合は不具合です。まあ、実際何もしていないのに固まるアプリケーションも存在するわけですが。
何かしらイレギュラーな操作をしていたりするものですが、ユーザーは覚えていないものです。また、コンピューターをよく知らない方は「自分がアプリケーションを壊してしまったかもしれないから隠蔽しないと」という心理が働くようです。
別にアプリが死んだのは、あなたのせいではありませんよ。ユーザーの中には、アプリケーションを消耗品のように考え、マシンではなく、アプリが老朽化するものと考える方もいらっしゃいます。
とはいっても、不具合というものは再現させることから始めますので、「何もしていないのに」と言われると、どう調査すれば良いか分からず、困ってしまうのがエンジニアの立場です。だからといって「本当は何かしたでしょう!」なんて強く問いただすと、気を悪くされるお客様もいらっしゃるかもしれません。
ログを強化すれば良い
イベントログだったり、操作ログだったりを適切に記録するように設計しておけば、ユーザーが「何をした」と言わなくても、ログから読み取れるようになります。何か大きな問題が起こった時、「おたくのシステムは本当に動作したのでしょうか?」なんて言われることもあるようです。
優れたロギングは将来的に自分を救うと思います。そう考えると、この辺の手は抜けないな、と思った次第です。まあ、ログの充実度は、記録しておく日数やメディアの容量とのトレードオフだったりするのですが。特に組み込み系だとROMに残せる容量は1MBに満たなかったり等。
そんな感じで、今日もプログラマー楽しいです。あ、今日誕生日です。
ではでは。