涼の成長記録

自らの人生に主導権を持つべく、独立を目指して2014年3月31日を持ってITエンジニアを退職。そんな23歳♂の成長記録。

ソフトウェアの世界でキャリアを築く3

さて、読書感想文は続きます。
ソフトウェアの世界でキャリアを築く1 - 涼の成長記録
ソフトウェアの世界でキャリアを築く2 - 涼の成長記録


第2章 ソフトウェアの本当の価値

「マーケットこそが、背後にある原動力である」

IBMを甦らせたと名高いガースナーの第一原則が胸に刺さります。

マーケットこそが、我々の行動すべてを決める。


以下に丹精込めて、高品質で高機能でバグのない製品を開発したところで、その製品が有用かどうかを決めるのは消費者です。この1文が、更に刺さります。

マーケティングや派手な宣伝は、その製品を人々に認知させるのには役立つが、人々が製品に辿り着くまでのプロセスを変化させているだけで、製品の本質に影響を与えてはいない。

自ら、営業から開発まで行わなくてはならない、フリーランスや企業家のエンジニアであれば兎も角、私のような起業を夢見るサラリーマンエンジニアでは、気付きにくいことだったりします。


「2種類の顧客:今いる顧客と、新しい顧客」

続いて、定常収入と、新規契約によるトランザクション収入と呼ばれる2つの収入。この収入のバランスが重要であることを指摘しています。

優れたソフトウェア企業は、定常収入と一時的なトランザクション収入をはっきり分けて管理している。

商用製品は、新規および既存の顧客の双方に焦点を合わせる必要がある。そこでの課題は投資バランスの適切な調整になる。


こういった経営戦略を学ぶには、ある程度の職級が必要になってくるかもしれません。今、私のポジションで机上だけで学ぶには、少し難しい部分があるので、こうしてある程度の知識だけでも蓄えておこうと思います。



顧客の声に耳を傾けるとき、傾けないとき

もうITと関係のない業界の人々にまで名前が知れ渡ってしまった、Appleの元CEO、スティーブ・ジョブズはこう言ったそうです。

大抵の場合、人々は自分が何が欲しいのかは、実際にそれが現れるまで分からないんだ。


これは、お客さんと一緒に仕様を詰めていっている時などに、たまに思うことがあります。つまり、製品の仕様を決める際、顧客の意見だけを取り込むのではなく、自ら顧客の本当に必要な機能を、察知するスキルが必要になるということですね。



Marissa Mayerへのインタビュー

Googleの副社長で、「ほぼ間違いなく今日ソフトウェア業界で最も影響力のある女性」と呼ばれている、Marissa Mayer。インタビューへの彼女の回答には、尊敬の念を感じずにはいられませんでした。


まず、ソフトウェアの世界で成功を目指している人へのアドバイスが4点。すべて引用したいところですが、それは著作権的にアレなので、心を打たれたワードだけ。

働いていて居心地がとてもいいところを探してください。
(中略)
ソフトウェアアーキテクチャの設計も自分で行いたいですし、会社レベルの戦略に関わっていきたいかもしれません。

彼女は、ソフトウェアアーキテクチャの設計にも、会社レベルの戦略にも、関わっていると想像されますが、私も将来そのようなポジションでいたいと願っています。


そして、次の一言。

最も賢いと思う人たちと一緒に働きましょう。

これは胸に刺さりました。とは言っても、"情熱プログラマー"にも、「自分が一番のヘタクソであれ」みたいなことを書いていました。当たり前のことであるのですが、これが意外と難しいのです。


私の周りには、私より何倍もソフトウェアエンジニアとして過ごした「年数が多い」方は多くいらっしゃいますが、その年数の間、ソフトウェアエンジニアリングに燃え、勉強し、哲学を持って、日々過ごしてきた人、過ごしている人は見当たりません。


また、彼女はこう言います。

自分のスキルをいつでもフレッシュに保っておきたい

どれだけ年を重ねようと、マネジメント側の職級に就こうと、これは忘れたくないです。多分私は忘れないと思っているのですが。一応、ここに誓っておきましょう。


そして、精神面の話。

やらなければいけない仕事に押しつぶされてしまうか、大切な仕事だけをストレスなくこなせるかは考え方次第です。

これについては、私も現在取り組んでいる真っ最中でございます。それが、先日の以下の記事です。
理想の自分を形成するために - 涼の成長記録



さて、今日はここまでです。私のエントリで引用している内容は極一部ですが、この本は本当に素晴らしい内容で溢れかえっています。すべてのソフトウェアエンジニアに、是非読んで頂きたい1冊になっております。


私が将来、人に物を教える立場になれるほどのキャリアを築けたとき、教え子皆に、この本を配りたいほどです。そういえば、4月に新入社員が入ってきます。私が教育係になりそうなのですが、もし向上心の高い子であれば、勧めてみようかと思います。


ではでは。