涼の成長記録

自らの人生に主導権を持つべく、独立を目指して2014年3月31日を持ってITエンジニアを退職。そんな23歳♂の成長記録。

離職率を公表すれば、ブラック企業はなくなるのか?

こんなニュースがありました。
「ブラック企業」対策へ離職率公表…新年度から : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

若者に過酷な労働を強いる「ブラック企業」対策で、厚生労働省は来年度からハローワークを通じて大学生や大学院生を採用する企業に対し、離職率の公表を求めることを決めた。


 2015年春の大卒、大学院卒らに向けた求人票から、過去3年間の採用者数と離職者数の記入欄を設ける。記入は強制ではないが、「空欄のままだと公表できないほど離職率が高いのではと見られる」(厚労省幹部)として、抑止効果が期待できるという。


 ブラック企業は早期退職が続出することを見越して若者を大量採用するのが特徴で、離職率は有力な判断材料の一つ。極端な長時間労働や残業代の未払いは労働基準法違反で是正指導できるが、離職率が高いだけでは違法ではないため、厚労省は情報開示で改善を促すことにした。


まず思ったのは、「離職率が高いのなら、ブラックじゃなくない?」ということです。労働者は、基本的に「辞める」という最強のカードを持っているわけです。そのカードを使うことができる状況にあるのであれば、それほどブラックでもないんじゃない?と感じました。


何が怖いのかって、離職率の低いブラック企業だと思うのです。要するに、条件が悪いのに辞めたくても辞められない企業です。辞められない理由はたくさんあると思います。会社からの圧力だったり、世間体だったり、次に繋がるスキルを身に付けさせてもらえなかったり。


私はずぶの素人ですが、社会全体的に離職率が高くなれば、働きやすくなるんじゃないかと思っています。辞めやすい社会になれば、必然的に再雇用もされやすい社会になりますよね。そう考えると、離職率が高い社会の方が健全であるような気がしています。


それを企業が無理矢理、離職率を下げるような対策を始めると、事態は悪化するのではないですかね。会社を選択する上で離職率を気にするのは、終身雇用を望む人々ぐらいではないでしょうか。しかし、これからそういった人々は減少していくと思います。だって、私が出会ったどの成功者も、私が出会ったどの啓発本でも、終身雇用を社会に求める時代は終わったと、そう言っていましたから。


また、ブラック企業による被害の代表格である「過労死」。これも「辞めたくても辞められない」から、ここまで事態が悪化するのだと思います。以下の記事の通りです。
ナナメシコウ : ブラック企業大賞なんて言っておられますが

ところで、ブラック企業の批判がされるときにいつも疑問に思うのは、「何故みんなブラック企業を辞めないのか?」ということ。もっと言えば、ブラック企業の経営者を批判する人は多いのですが、「辞職し易い世の中にしよう」という人が居ないのは何でだろう。


そんなにブラックだと言うなら、辞めればいいと思うんですよ。何で「辞める」という選択肢よりも前に「過労死」が出てくるのかがサッパリ分からない。死ぬより難しいことなんですかね。であれば、そうしている原因を取り除いてやるという事が、一番最初に求められることでは無いかと思うんですけども。


「従業員の待遇を良くしろ」とは言うけども「仕事を辞めやすい世の中を」という人は少ない。でも、経営に対して一般の従業員が唯一対抗できるカードが「辞職」なわけで、従業員の待遇を良くするという行為は市場の流動化を損ねる方向に進みやすいように思え、固着化された労働市場は更に「辞職」という最後のカードを切れなくする行動に見える。


ブラック企業を叩くという行為は、一見弱者の味方をしているようだけども、その実、既に正社員の立場を持った人を優遇しろと言っているだけにしか見えない。


私もブラック企業から抜け出したい人間の1人ですが、社会的に離職リスクが低くなれば、少しは辞めやすくなるのかなー、と思います。上記の記事にもありますが、「辞職し易い世の中にしよう」と言う人がいないのは、私も疑問です。こういう発想はブラック企業で働いてみないと出てこないのかもしれません。


ちょっと、自分で何を言っているのか分からなくなってきました。まあ何にせよ、会社辞めても生きていける力を早急に身に付けたいですね。
ではでは。